性格によってうつの症状が異なる|モヤモヤの謎を徹底解明

心の休養と治し方

病院

休養の重要性

うつ状態が長く続いた末、心療内科や精神科を受診してうつ病と診断された後には本格的な治療が始まります。うつ病治療には大きく分けて薬物療法と精神療法の2つがありますが、休養もまた3つ目の治療法と言えるくらいに重要です。うつ病を発症した患者さんは、さまざまなストレスによって心が疲労困憊した状態にあります。どういうメカニズムで発症に至るのか、現代医学でもまだ完全には解明されていませんが、脳内神経細胞の活動低下が症状の原因だという点は間違いありません。神経細胞の活動が低下すると、脳内の情報伝達がうまく働かなくなります。症状の顕著な特徴と言える長期間のうつ状態も、そのことが原因で生じるのです。喜びや楽しみを感じにくくなったり、意欲が湧かなくなったり、食欲が衰えたりするのも同様です。人間の身体もまた、筋肉が疲労すると運動能力が衰えてきます。疲労困憊の状態では身動きするのも億劫になるものです。同じ状態が脳で発生すれば、心に大きな影響が出てきます。うつ病とそうでない状態との違いは、1日や2日休んだだけでは疲労困憊の状態から回復できないという点です。うつ病を発症する患者さんの多くは真面目で責任感が強く、仕事や家事、勉強にも人一倍がんばっている人たちです。そのような性格だからこそ、うつ病にもなりやすいのです。治療のためだからと言って仕事や家事を休んだりすることには罪悪感を覚えがちですが、薬物療法や精神療法だけでは十分な効果が得られないことも少なくありません。休養とうまく併用することで、他の治療法も高い効果を上げられるのです。

時間をかけて治す

ある程度症状が進行してしまった患者さんの場合は、休養だけでうつ病を治療するのも難しくなります。そこで心療内科や精神科での治療が重要になってくるわけですが、焦る必要はありません。すぐには治療効果が表れないケースも多く、症状改善にはある程度の時間を要するものです。精神科医や臨床心理士を信頼し、粘り強く治療を続けていけば、症状が好転するときは必ず訪れます。患者さんの症状や副作用などの状態を見ながら、医師は適切な薬を処方します。心の病気とは言え、うつ病には脳内神経伝達物質の活動低下という明確な生理学的な原因があります。その状態を改善させるために抗うつ薬が処方されるのです。神経伝達の乱れを薬によって調整しつつ、休養や精神療法によって心も少しずつ元気を取り戻していきます。うつ病の患者さんは、物事をどうしても否定的に考えがちになっています。精神療法はそうした思考パターンを前向きに変えると同時に、人間に対する信頼を取り戻していくための過程とも言えます。精神科医や臨床心理士との対話を通じて心が弾力を取り戻していけば、症状改善も見えてきます。治療の過程では、すべての患者さんが必ずしも一直線に治るわけではありません。行ったり戻ったりを繰り返しながらも少しずつ前進していくように、一歩一歩症状を改善させていくのです。患者さんが自分の力で自分の心を治していくためには、それだけ時間がかかります。医師や臨床心理士はそのサポート役として、患者さんに寄り添いながら治療を助けてくれます。